Unlikelyデザイナー 中田慎介に聞く、今回のV.A.とのコラボレーションのきっかけ、また自身のカルチャーやファッションへの想い。
ー まず、コラボレーションのきっかけについて教えてください。
中田:友人の食事会で源馬さんを紹介していただいたのがきっかけです。お会いしてから、少し時間が経ち、源馬さんより、「V.A.とのものづくりに興味ありますか?」 とお誘いいただきました。自身、多感な青春時代に裏原カルチャーを追いかけてきたので、藤原さん、源馬さんに知っていていただけていること、また自分のプロダクトに共感をいただけていたことが凄く嬉しく、すぐ話を聞きに行きました。(笑)
お声がけいただいた頃、パリの展示会タイミングだったので、まずコレクションを見ていただき、僕の少しディテールオタクな部分とか、Unlikelyのアイデンティティを説明させてもらいました。その流れの中で、V.A.の皆さんが面白いと思うアイテムをピックアップし進めていった形です。

ー そもそもV.A.と中田さんご自身のカルチャー的な接点や、共鳴する部分があれば教えてください。
中田:僕が思うファッションの中心地、その中でも学生時代から今も通い続ける場所が原宿で、さらに、その中でも中心的位置が、V.A.のある神宮前交差点だと思っています。ランチはGHEEでバターチキンカレー、もしくは久保田で生姜焼きを食べ、プロペラ通りの各店を覗く。帰りにモントークのウィンドウをチラ見して芸能人がいるかをチェックして、渋谷に移動するようなことも多々ありました。このエリアからいつも何かが発信され、いつもドキドキしながらお金を握り締め向かっていたのを鮮明に覚えています。
その後、BEAMSに入りどっぷりアメカジにハマるのですが、裏原のカルチャーは僕の源泉になっており、洗練されたミクスチャーの考え方、雑貨、家具など、今も自分が大事にしている考えの基本を占めています。そして、その現代的表現がV.A.さんだと思っていて、イベントやポップアップの仕掛けを拝見してワクワクしています。

ー 中田さんの商品からは、原宿カルチャーを感じます。そういう理由があったんですね。では、今回のミッキーマウスデザインのスウェットについて、その着想やアイデアについてお伺いできますか。
中田:まずは、ずっと大好きだったThe・王道のミッキーマウスのヴィンテージスウェットがデザインソースです。昔、軽くて、とても調子の良い古着をよく着ていたのですが、当時のサイズはMもしくはLサイズ。今着たくても、大きいシルエットで着ることができない…XLでも小さく感じたので、いっそ、でっかいサイズ感で作ってしまえ、という発想でもの作りをスタートしました。

まずは生地の解析から始めました。当時の素材の糸の配合を試したのですが、そのままではどうしても雰囲気が出なくて、結果、いっそ個人的により良いと思う配合にして、新しい軽量裏起毛スウェットを作ろう、という考えに変えてしまいました。
さらに、今自分は“熟成“ブームなんです。
ダメージというよりも寝かせて色が褪せる、もしくは黄ばんだような雰囲気がでているものに惹かれます。なので、そんな気分を加えて後加工を行いました。70年代〜80年代のアイテムを、90年代&リバイバルな現代にアレンジし、さらに今へタイムトラベルさせた感じです。『今ちょうど良い部分』を良いとこ取りしたかのような、Unlikely(ありそうにない)らしいアイテムです。
まず、トライアルで無地を作成したのですが、そのストーリーをV.A.チームに話したところ、『じゃあミッキーマウスはうちでやろうよ!』と言ってくれて、背中を押していただいた感じです。そしてそのままでは面白くないので、ブラック一版でクラックプリントしたミッキーも特徴の一つです。使用していく毎にヒビが入っていき、経年変化も楽しめるアイテムにしました。

今回のアイテムのUnlikelyらしさをさらに教えていただけますか?
中田:まず、さっきもお話しした素材でしょうか。1からチームであぁだこうだ言いながら試行錯誤して作成した裏起毛素材です。

さらに、非常に自己満なディテールとしては、袖の太さでしょうか。古着は肘から袖口にかけて先細いパターンで作られていることが多いのですが、このアイテムはたっぷりした袖がポイントです。
スタイリングしたときに、袖にスウェットがたまる雰囲気にこだわっています。
その他、色々と細かいこだわりがあるのですが…、ちょっと企業秘密な部分も残しておきたいので、こちらまでにさせてください。(笑)

ー 今回のアイテムの仕上がりの自信は?また、コラボレーションの良さは何だと思いますか?
中田:内輪でサンプルを見せた際に、“めちゃ気持ちいい!欲しい!” と言ってくれたら、そこから自信が出てくるという感じで…不安症なので手応えみたいなものはいつもあまり感じません。(笑)
コラボレーションから生まれる良さは、やはり新しいアイデアをもらえるといった部分でしょうか。ただ、コラボレーションに関しては、結構頭が硬く、半信半疑で頭を抱え、いつもお断りすることが多いのですが、今回は、『ミッキーマウスで行こうよ!』と王道の表現の背中を押してもらい、本当は自分もやりたかったので、色々とアイデアが出てきて、とても楽しみながらできました。
※中田さんの事務所にて
ー このスウェット、どんな感じで着たいですか?
中田:結構王道のアイテム同士を合わせたスタイリングをしたいと思っています。だけど、そこにちょっと今の気分を取り入れて。洗いざらしでシワが入ったデニムにコンバースオールスター。ヘヴィーなネルシャツを上から羽織って、ブラックデニムとか。そんな90年代のキアヌリーブスやリバーフェニックスのような、カッコ良いダレ感を持たせてきている人がいたら痺れるなあと思います。
ー 今後のUnlikelyの展開イメージは?
中田:ブランドをスタートしてあまり日が経っていないので、まずはUnlikelyブランドとはどういうブランドか?を伝える、地に足つけたものづくりをしたいと思っています。加えて、今回のように、Unlikelyでできないことを大好きなブランド様などと、今ちょうど良い企画が出来ればと思っています。
